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 七三 命賭けの発案権


 ギリシアのシャロンダスがドリアン法を制定した時に発した命令は頗る奇抜である。曰く、「この法典の改修または新法の制定を発議せんと欲する者は、頸に一条の縄を懸けて議会に臨むべし。もしその議案にして否決せられたるときは、発議者は直ちにその縄をもって絞殺の刑に処せらるべきものなり」と。
 今の議会には、まさかかくの如き奇法を布《し》く訳にも行くまいが、議員たるものは、宜しく頸に絞索《こうさく》を懸けた位の気持になって、真面目に立法参与の大任を完《まった》くしてもらいたいものである。
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 七四 酩酊者の責任


 ギリシア七聖の一人に、ピッタコス(Pittakos)という人があった。「機を知れ」という名言を吐いたので有名な人であるが、暴君メランクロス(Melanchros)の虐政から市民を救ったために、衆に推されて心ならずも国政を料理する身となった。元来栄達に志す人ではなかったから、位に即《つ》いた後、種々の善政を布き、良法を設けて、市民の信頼に報い了《お》わり、直ちに位を棄《す》つること弊履《へいり》の如くであった。
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