新女大学
福沢諭吉

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)夫《そ》れ

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)随分|易《やす》きことに非ず

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#改ページ]

/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)いよ/\
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
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一 夫《そ》れ女子は男子に等しく生れて父母に養育せらるゝの約束なれば、其成長に至るまで両親の責任軽からずと知る可《べ》し。多産又は病身の母なれば乳母を雇うも母体衛生の為めに止むを得ざれども、成る可くば実母の乳を以て養う可し。母体平生の健康大切なる所以《ゆえん》なり。小児は牛乳を以て養う可しと言い、財産家は乳母を雇うこと易しとて、母に乳あるも態《わざ》と之を授《さず》けずして恰《あたか》も我子の生立を傍観する者なきにあらず。大なる心得違にして、自然の理に背く者と言う可し。
一 婦人の妊娠出産は勿論《もちろん》、出産後小児に乳を授け衣服を着せ寒暑昼夜の注意心配、他人の知らぬ所に苦労多く、身体も為めに瘠《や》せ衰
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