保護して、其身体、生命、財産、名誉、自由を侵害せしめざるを任務と為《な》す。是《ここ》を以て国民は軍事に服し国費を負担するの義務あり。
第二十三条 軍事に服し国費を負担すれば、国の立法に参与し国費の用途を監督するは、国民の権利にして又其義務なり。
第二十四条 日本国民は男女を問はず、国の独立自尊を維持するが為めには、生命財産を賭《と》して敵国と戦ふの義務あるを忘る可らず。
第二十五条 国法を遵奉《じゅんぽう》するは国民たるものゝ義務なり。単にこれを遵奉するに止まらず、進んで其執行を幇助《ほうじょ》し、社会の秩序安寧を維持するの義務あるものとす。
第二十六条 地球上立国の数少なからずして、各《おのおの》その宗教、言語、習俗を殊にすと雖も、其国人は等しく是《こ》れ同類の人間なれば、之と交《まじわ》るには苟《いやしく》も軽重厚薄の別ある可らず。独《ひと》り自《みずか》ら尊大にして他国人を蔑視《べっし》するは、独立自尊の旨に反するものなり。
第二十七条 吾々|今代《こんだい》の人民は、先代前人より継承したる社会の文明福利を増進して、之を子孫後世に伝ふるの義務を尽さざる可らず。
第二十八条 人の
前へ 次へ
全7ページ中6ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
福沢 諭吉 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング