ほうたい》して、其恩徳を仰がざるものある可《べか》らず。此一事は、満天下|何人《なんびと》も疑《うたがい》を容《い》れざる所なり。而《しこう》して今日の男女が今日の社会に処する道を如何《いかん》す可《べ》きやと云ふに、古来道徳の教、一にして足《た》らずと雖《いえど》も、徳教は人文の進歩と共に変化するの約束にして、日新文明の社会には自《おのず》から其社会に適するの教なきを得ず。即ち修身処世の法を新《あらた》にするの必要ある所以《ゆえん》なり。
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第一条 人は人たるの品位を進め、智徳を研《みが》き、ます/\其光輝を発揚するを以て、本分と為《な》さざる可《べか》らず。吾党の男女は、独立自尊の主義を以て修身処世の要領と為《な》し、之を服膺《ふくよう》して、人たるの本分を全《まっと》うす可《べ》きものなり。
第二条 心身の独立を全うし、自《みず》から其身を尊重して、人たるの品位を辱《はずかし》めざるもの、之を独立自尊の人と云ふ。
第三条 自《みず》から労して自から食《くら》ふは、人生独立の本源なり。独立自尊の人は自労自活の人たらざる可《べか》らず。
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