学問の独立
福沢諭吉
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)都鄙《とひ》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)百事|皆《みな》創業にかかり
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「口+伊」、第4水準2−3−85]唔《いご》の声を
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『学問の独立』緒言
近年、我が日本において、都鄙《とひ》上下の別なく、学問の流行すること、古来、未だその比を見ず。実に文運降盛の秋《とき》と称すべし。然るに、時運の然らしむるところ、人民、字を知るとともに大いに政治の思想を喚起して、世事《せいじ》ようやく繁多なるに際し、政治家の一挙一動のために、併せて天下の学問を左右進退せんとするの勢なきに非ず。実に国のために歎ずるに堪えずとて、福沢先生一篇の論文を立案し、中上川《なかみがわ》先生これを筆記し、「学問と政治と分離すべし」と題して、連日の『時事新報』社説に登録したるが、大いに学者ならびに政治家の注意を惹《ひ》き来りて、目下正に世論実際の一問題とな
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