ないから慎重を期したい。

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稲の穂の千田《ちた》階《きざ》をなし靡く時唯ならぬかな姥捨の秋
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 山の上まで段々に田が重つてゐてそこへ秋風が吹いて来て稲の穂が縦にさへ一せいに靡く不思議な光景を唯ならぬの一句に抒した測り知れないその老獪さは如何だ。しかし同じ景色も之を平抒すれば 風吹きて一天曇り更科の山田の稲穂青き秋かな となる。

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思ふとやすまじきものの物懲《ものごり》に乱れはててし髪にやはあらぬ
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 これもむつかしくてほんとうは私には分らないが、代表歌の一つだから敬遠するわけにも行かず、強いて解釈する。すまじきものの物懲りとは勿論人を恋することで、恋などすべきでないことをした為お前の髪も心もすつかり乱れてしまつたではないか。そのお前が懲りずまにまた人を思ふといふのかと自分に言つてきかせる歌のやうにもとれるが、ほんとうは人称がないので私には見当がつかない。

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寺の僧|当山《たうざん》のなど云ひ出づれ秋風のごと住み給へかし
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 姥捨の長楽寺で
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