に落ちて海が燃える、君看ずや人の心の海の火の、燃えさかる紫の炎を、それが私の夢の形だ。まづく翻訳するとこんな風にもならうか。
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白波を指弾くほど上げながら秋風に行く千曲川かな
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晶子さんほど繊細で微妙な感覚の琴線を持つ人を私は知らない。欧洲の詩人の詩にはいくらもありさうであるが、わが国の少くも歌人の間には断じて第二人を知らない。千曲川を秋風が撫でて白波を立ててゐる。その白波の高さを指で弾くほどと規定して事象に具体性を与へ得るのは全く霊妙な直覚力によるもので、感覚の鋭敏な詩人に限つて許されることだ。
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転寝の夢路に人の逢ひにこし蓮歩のあとを思ふ雨かな
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とてもむつかしい歌で私にはよく分らないが、こんな風にとけるかもしれない。糸のやうな春雨が降つてゐる。静かにそれを見てゐるとこんな風な幻像が浮ぶ。男のうたたねの夢の中へ麗人が逢ひにゆく。その互ひ違ひにやさしく軽く運ばれる足跡が宙に残る。それが雨になつて降る。他の解があれば教へを受けたい。第五集「舞姫」の巻頭の歌で、作者も自信のある作に違ひ
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