てゐる。
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男をば謀ると云ふに近き恋それにも我は死なんとぞ思ふ
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わたしといふ女はまあ何といふ女であらう。男をはかる位の軽い気持ではじまつたこの度の恋でさへ今私は死ぬほどの思ひをしてゐるとわが多情多恨を歎くのであるが、之も王朝のことにしないと味が出て来ない。
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旅の荷に柏峠の塵積り心に古き夢の重なる
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柏峠は伊東から大仁へ越える峠で作者が、良人と共にいく度か通つた所である。見ると旅の鞄にほこりが厚くついて居る、柏峠のほこりだ。その様に私の心は往日の思ひ出で一杯だといふ情景を相応せしむる手法の一例である。この行それから湯が島に行かれたが、その道で 大仁の金山を過ぎ嵯峨沢の橋を越ゆれば伊豆寒くなる と詠まれ、又著いては 湯が島の落合の橋勢子の橋見ても越えてもうら悲しけれ と詠まれてゐる。
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手に触れし寝くたれ髪を我思ひ居れば蓬に白き露置く
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家に帰れば夏の夜は早く明け、蓬には白玉の露が置く。手の先には寝くたれ髪の感覚がそのまま残つて居て
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