うと思つたからで、外に大した意味はない。この歌などがその一例、牡丹が咲いたらそれを機会に夜宴が開かれよう、その時こそ君の御姿が見られよう、春が闌けて早く牡丹の咲く頃にならないかなといふ藤氏の女あたりの心持を詠んだものと察せられる。淵酔は宴会の意味。
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山の月雪を照して我が友が四人に分つ振り出し薬
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十二年の二月同行四人で箱根早雲山の大雄山別院に泊して珍しい一夜を明かされた時の作。友の一人が少し風気で携行した葛根湯か何か煎じてゐたが、山上の寒さの身にしむ宵とて皆に分けて飲ませる光景、外の山には雪が積つてゐてその上を弦月が照らしてるといふわけである。又その時の作には 山寺は雲に満ちたる二月にて鉛の色す夕暮の庭 雪白き早雲山の頂きに近くゐて聞く夕風の音 などがあり、その帰途十国峠を過ぎては 峠路の六里の間青海を見て枯草の世界を伝ふ といひ、熱海から多賀へ出て一泊されては 海に向き材木積める空地のみ僅に白き夕月夜かな の歌を残しこの行は終る。
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み侍み経を艶に読む夜などをかしかりける一人臥しかな
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