い。また同じ景色を詠じて 天地にものの変《へん》などありしごと梅連りて咲ける鎌倉 とも又 鎌倉の梅の中道|腰輿《えうよ》など許されたらばをかしからまし ともある。お寺では 梅咲く日羅浮の仙女となりて入る万法帰源院の門かな 梅散るや放生会など行はゞをかしかるべき大寺の池 などの作がある。同夜は海浜ホテルに泊られ 鎌倉の梅の中より鐘起る春の夕となりにけるかな の作が残されてゐる。

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白牡丹咲かば夜遊の淵酔に君を見んとす春闌けよかし
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 晶子さんの若い頃の歌は、その取材の上から大別して三つになる。一つは幼時から見聞した京畿の風物を囘顧するもの、京の舞姫に関するものも便宜この中に入れて置く。一つは源氏、栄花等にあらはれてゐる平安朝の生活を自らその中の人物となり、又は三者の立場に立つて詠じたもの。第三はその他であるが、その第二は晶子さん独特の境地で、そこへは当時一しよに作歌に精進した才人達誰もついて行かなかつたし又行けもしなかつた。私は前記秀歌選を作るに当つてこの種の歌らしいものを拾つて仮に源氏振といふ一項を起して見た。鑑賞上その方が便宜が多から
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