は一大変化が起りこのやうにやつれてしまつた。今日ここへ来て湯に入る人達だけは、せめてあと十年間は事の起らないよう、祈らずにはゐられないといふので、洵にこの作者に著しい思ひやりの深い、自他を区別しない温かい心情のにじみ出てゐる作である。

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鳴滝や庭滑らかに椿散る伯母の御寺の鶯の声
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 手入れのよく届いた御寺の庭を庭なめらかにといひ、椿をあしらひ、鶯をあしらひ更に伯母の御寺と限定具象して鳴滝辺の早春の情調を漂はせた美しい作である。

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赤谷川人流すまで量まさる越の時雨はさもあらばあれ
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 赤谷川はその源を越後境の三国峠に発して法師湯の前を流れる常時静かな渓流である。それが急に水量が増した。越後側に降つた時雨がどんなものであるかそんなことは考へないことにするが、唯この目前の水量の増し方は如何だ、一歩足を入れゝば押し流されさうだ。

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春の水船に十人《とたり》の桜人《さくらびと》皷打つなり月昇る時
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 嵯峨の渡月橋辺の昔の光景でも想像しながらこの歌を
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