から仏法王法何れを重しとする理由もないが、それは明かに仏法興隆のためではないから、勢ひ王法興隆のためであらうが果して如何かといふ様なことであらう。

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白雲と潮の煙《けぶり》と妄執の渦巻く島の春夏秋冬
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 これは俊寛僧都の歌、島は無論鬼界が島。白雲は有王島に著き初め山を尋ぬる件に「嶺に攀ぢ谷に下れども白雲跡を埋んで往来の道も定かならず」から取つたもの、「妄執」は都へ帰りたい一念、[#「、」は底本では欠落]春夏秋冬は三年の歳月である。

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西海の青にも似たる山分けて閼伽の花摘む日となりしかな
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 これは寂光院に入られた建禮門院の上である。後白河法皇の大原御幸は卯月二十日余りのことで春も開け山にはつつじ藤の咲出づる頃である。女院は花篋肘にかけ花摘みに行かれた留守であつた。緑濃き春色に西海の青を見て平家没落の跡を思ふのである。

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電柱のまぢかく立つを一本の梢としたるわが家の月
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 庭木など低いのが少しはあるが喬木の全くない都内の月見風景である。かく
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