らう。野の百合はソロモン王の栄華を尻目にかける頑な心の持主である。

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なつかしき萩の山辺の白雲をおしろい取りて思ふ人かな
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 おしろいを解きながら、唯その白いといふ色の縁だけで、白雲の飛ぶ山の景色を思ひ浮べ得るほどの人は、それだけで既に立派な女詩人である。次にこの歌に同感し得るほどの女性なら歌人になれる。この歌の分らない人は一寸難しい。

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時は午路の上には日影散り畑の土には雛罌粟の散る
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 これは近代感覚を欠く人には一寸分るまい。ワン・ゴオクの向日葵に見るやうな強烈な白いほどの日光と真赤なひなげしの葩の交錯する画面で、色彩二重奏といふほどのもの。さうしてそれ以外の何物でもないから、古い歌の概念で臨んだのでは分りつこはない。

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花園は女の遊ぶ所とて我をまねばぬ一草もなし
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 これは松戸の園芸学校の花畑を歌つたものである。季節は虞美人草の咲く初夏のことであつた。百花繚爛目の覚める様な花畑の中に立つた作者が自分の女であることを喜びながら一々の花
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