歌などその一つのあらはれであらう。
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旅人を風が臼にて摺る如く思ふ峠の大木のもと
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これも千山から降りて来た時の光景であるが、満洲の風がどんなものであるか窺はれて面白い。
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いか許り物思ふらん君が手に我が手はあれど倒れんとしぬ
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ミユンヘンへ行つた頃の夫人のノスタルヂアは余程昂進してゐてこの歌の通りであつたらしく幾許もなくマルセイユから乗船してまた一人で帰朝されたのであつた。
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夕月夜逢ひに行く子を妨げて綿の如くに円がる柳絮
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遼陽の白塔公園辺の見聞であるが、柳絮の飛ぶ所なら満洲だらうが、フランスだらうが構はない。柳絮と逢引との間に感情の関連を発見した歌である。
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飛魚は赤蜻蛉ほど浪越すと云ふ話など疾く語らまし
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印度洋の所見であるが、帰心箭の如く、頭の中は子供のことで一杯だつた。そこで印度洋上の飛魚も日本の赤とんぼになる訳である。
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尺とりが鴨緑江の三尺に
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