づいた。作者の如きは雑草の書く千万行の文章の内の数十行数百行は読み得たものであらう。

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悪竜となりて苦しみ猪となりて啼かずば人の生み難きかな
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 産科の近江湖雄三博士を感憤せしめた歌で、同博士が独逸から無痛安産法を携へて帰朝されたのもこれに本づくのである。夫人も一囘体験されて好結果を得られた。しかし時代が早かつたと見えこの方法はいつの間にか我が国からその影を絶つたが、この頃の米国辺の空気から察すると大に将来性がありさうで、しまひにはお産の苦痛も昔語りになる時がありさうにも見える。さういふ苦しいことも晶子さん以前には誰も本気に歌はうとしなかつたやうで、その事が反つて驚くべきことなのではないか。

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さらさらと土間の中にも三鷹川浅く流るる島田屋の秋
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 武蔵野の秋を探つてよく三鷹の深大寺に行かれたことがある。まだバスなどのない時分で、境から歩いて行つたのである。深大寺は余程古い寺でもあり、その環境もよかつた。当時は人も行かず、ゆつくり秋の心を楽しませることが出来た。島田屋はその門前にある農家の
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