て飛び立つではないか。まして人間、為すあらんとする人間の出発だ、よく見るがよい、勢ひのよさを。先づこんな意味ではないかと思ふがはつきりは分らない。
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山暗し灯の多かりし湯本とてはた都とてかひあるべしや
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さすがに山奥の庭は暗い。暗いので余計にものが思ひ出され悲しさも加はるやうだ。しかしそれだからと云つてここへ来る途に立ち寄つた灯の多くついた湯本へでも行つたら少しは慰むだらうか、一そ明るい東京の家へ帰つたらとも思はれるが、よしないことでさうしたとて同じことだ。
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花鎮祭に続き夏は来ぬ恋しづめよと禊してまし
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「花鎮祭」は昔、桜の花の敵る頃、疫病を鎮める目的で神祇官の行つた神事。鎮花祭も済んでいよいよ夏になつた。それにつれて私の恋心も日ましに猖獗を極める、そこで今度は恋鎮祭です、そのため禊をして身を浄めませう。鎮花祭の行事の如きは忘られて久しい、作者が古典の中から採り出して之に新生命を吹き込む手腕の冴えいつもながら見事なものだ。
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見出でたる古文によりやるせなく君の
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