ひます。気がむいたら、こちらへも御立寄り下さい。[#地から3字上げ]七月三日



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●昭和二十二年五月十七日 大森区馬込東二ノ八九九末田方より 杉並区阿佐谷 永井善次郎宛
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 女房的文学論は面白かつたです。
 先日の部屋の話はどうなりましたか、いつ頃あくのでせうか、実は、今大至急立退を命じられてゐて弱つてゐるので、もしそちらがあけばすぐ引移さうと決心してゐます。美樹君もその部屋をあてにしてゐて一緒に、自炊しようと話合ひました。「高原」書店で見ましたがまだ手許には送つて来ません。「四季」は和紙で立派なのが出るといふことです。
 二十三日交洵社に行くかもしれません。



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●昭和二十二年七月三日 東京都中野区打越十三平田方より 杉並区阿佐谷 永井善次郎宛
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 小田切秀雄の「人間と文学」あれはつまり文学をだらけさせまいとするものの声として私にはうけとれました。近代文学6では座談会が面白く、あなたの小説はこんどのところは非常によく纏つてゐてあそこだけでも独立し
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