都合にまかせます。その後書きたいことはかなりあるのですがなかなか机にむかへません。
光太は僕の詩集に貞恵といふ題をつけと云ひますが、貞恵といふささやかな本は別にひそかに考へて居るのです。
それでは御健闘を祈ります。
[#地から3字上げ]二月五日
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●昭和二十一年二月十五日 八幡村より 東京都杉並区阿佐谷六ノ九三 永井善次郎宛
[#ここで字下げ終わり]
速達拝見しました。原稿の件については先便で申上げた通りあなたの方の都合に一任します。「新日本文学」へ持つて行かれても結構です。「原子爆弾」といふ題名がいけないなら「ある記録」ぐらゐの題にしてはどうでせうか、それともまだ適切な題があればそちらでつけて下さい。
下宿は末田のところに置いてやつてもいいと云ふので、一先づそこへ移らうかと思つてゐるのですが、転入の許可がとれるものかどうか目下問合はせてゐます。兄は食糧持参で一寸上京してみよと云ひますが末田のところに夜具があるものかどうか、それも目下問合はせ中です。
二日の速達が今日十五日に届くのですから相変らず郵便物は遅れるのですね。
兄は
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