を読返してみて、さうだつた、もつと元気を出さうと云ふ気持にされました。
御自愛を祈ります。よき年を迎へ給へ。
[#地から3字上げ]十二月二十八日 原民喜
[#ここから3字下げ]
永井善次郎様
[#ここで字下げ終わり]
[#ここから1字下げ、折り返して2字下げ]
●昭和二十一年二月五日 八幡村より 東京都杉並区阿佐谷六ノ九三 永井善次郎宛
[#ここで字下げ終わり]
御手紙有難う。御無沙汰してゐましたが先日本郷へ行つたので、あなたのことも承知してをりました。会へなかつたのは残念でした。先日は近代文学を昨日は文学時標をたしかに拝受致しました。久しぶりに雑誌らしいものを読めたので何だか昂奮しました。もつともその前に展望一月号は読んでゐましたが近代文学の方が同人雑誌としての親しみや張りがあり頼もしく思ひました。あなたの小説は今後あれをどういふ風に切りひらいて行くか、かなり神経をなやまし苦吟を要するのではないかと予想されました。どうか頑張つて完成させて下さい。光太の詩は韻律といふか言葉の発展といふかさういふ点で僕には驚異です。作家案内はなかなか気のきいた企劃だと思います。継続して百人位
前へ
次へ
全38ページ中30ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
原 民喜 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング