の収容所を訪ね廻つて、重傷者の顔を覗き込んだ。どの顔も悲惨のきはみであつたが、彼の妻の顔ではなかつた。さうして、三日三晩、死体と火傷患者をうんざりするほど見てすごした挙句、Nは最後にまた妻の勤め先である女学校の焼跡を訪れた。
底本:「日本の原爆文学1」ほるぷ出版
1983(昭和58)年8月1日初版第1刷発行
初出:「三田文学」
1947(昭和22)年6月号
※連作「夏の花」の1作目。
※冒頭の詩は、連作「夏の花」全体の初めに置かれているものであるが、ここでは、表題作である「夏の花」の冒頭に入れた。
※誤植と思われる箇所については、「現代日本文学大系 92巻」、筑摩書房刊の他4冊の異本を参照した。
入力:ジェラスガイ
校正:林 幸雄
2002年9月19日作成
2003年5月21日修正
青空文庫作成ファイル:
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