m#「からす」に傍点]麦、牛乳、火、水などの名前を教えてくれました。私はすぐ彼のあとについて言えるようになりました。
 食事がすむと、主人の馬は私を脇へ呼びました。そして言葉やら身振りで、私の食物がないのが、とても心配だと言います。私はそこで、
「フルウン、フルウン」
 と呼んでみました。『フルウン』というのは、『からす麦』のことです。はじめ私はからす[#「からす」に傍点]麦など、とても食べられそうになかったのですが、これでなんとか、パンのようなものをこさえようと考えついたのです。
 すると主人は、木の盆にからす[#「からす」に傍点]麦をどっさり載せて持って来ました。私はこれを、はじめ火でよく暖めて、もんで殻を取り、それから石で擂《す》りつぶし、水を混ぜて、お菓子のようにして火で焼いて、牛乳と一しょに食べました。
 これははじめは、とても、まずくて食べにくかったのですが、そのうちに、どうにか我慢できました。私は、たまには、兎や鳥を獲って食べたり、薬草を集めてサラダにして食べました。はじめ頃は塩がないので、私は大へん困りました。が、それも慣れてしまうと、あまり不自由ではなかったのです。


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