スくさんの牛乳が器に入れて、きちんと綺麗に並べてある部屋へつれて行きました。そして、大きな茶碗に牛乳を一ぱい注いでくれました。私はグッと一息に飲みほすと、はじめて生き返ったような気持がしました。
正午頃、一台の車が四人のヤーフに引かれて、家の前に着きました。車の上には身分のいゝ老馬が乗っていました。彼は非常にていねいに迎えられて、一番いゝ部屋で食事することになりました。部屋の真中に秣草桶を円《まる》く並べ、みんなはそのまわりに、藁蒲団を敷き、尻餠をついたように、その上に坐るのでした。そして、馬どもは、それ/″\、自分の乾草やからす[#「からす」に傍点]麦と牛乳の煮込みなどを、行儀よくきちんと食べるのでした。
子馬でも非常に行儀がいゝのです。特に、お客をもてなす主人夫妻のやり方は、気持のいゝものでした。ふとそのとき、青毛が私を招いて、こちらへ来て立て、と命じました。
客たちは、しきりに私の方を見ては、『ヤーフ』という言葉を言っています。これは、私のことを今いろ/\話し合っているのでしょう。
彼等は私に、知っている言葉を言ってみよと言いました。そして、主人は食卓のまわりにあるからす
前へ
次へ
全249ページ中207ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
原 民喜 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング