_がゆかないのでした。
ふと栗毛の子馬が、木の根っこを一本、私の方へ差し出してくれました。私は手に取って、ちょっと臭を嗅いでみましたが、すぐていねいに返してやりました。すると、彼は今度はヤーフの小屋から、驢馬の肉を一きれ持って来てくれました。これは臭くてたまらないので、私は顔をそむけてしまいました。しかし彼がそれをヤーフに投げてやると、ヤーフはおいしそうに食べてしまいました。
その次には乾草を一束とからす[#「からす」に傍点]麦を私に見せてくれました。しかし、私はどちらも自分の食物ではないと、首を振ってみせました。私はもしこれで同じ人間に出会わなかったら、いずれ餓死するのではないかと心配になりました。
すると、このとき、主人の馬は蹄を口許へ持って行って、私に、どんなものが食べたいかというような身振りをしました。だが、なにしろ私は相手にわかるように返事ができませんでした。
ところが、ちょうどいゝことに、いま表を一匹の牝牛が通りかゝりました。そこで、私はそれを指さしながら、ひとつ牛乳をしぼらせてくれという身振りをしました。これが相手にもわかったのです。彼は私を家の中へつれて帰ると、
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