ネせっせと家の仕事をしていることでした。なにしろ、馬をこんなふうに数え、仕込むことのできる人間なら、よほど偉い主人にちがいないと、私は感心しました。
この部屋の向うには、まだ三つ部屋がありました。私たちは二つ目の部屋を通って、三つ目の部屋へ近づいて行きました。青毛は、そこで私に待っておれと合図しました。私は戸口で待ちながら、この家の主人と奥さんに贈るつもりで、小刀を二つ、真珠の腕環を三つ、小さな鏡、それから真珠の首飾などを用意しておきました。
青毛は、その部屋に入って、三四度いなゝきました。すると、彼の声よりもっとかん高い声で、誰かゞいなゝきました。人間の声はまだ聞えません。しかし、私は向うの部屋に、どんな貴い人が住んでいるのだろうか、と考えました。面会を許してもらうのに、こんな手数がかゝるのでは、この国でも、よほど位のいゝ人なのでしょう。だが、それにしては、そんな貴い人が、馬だけを家来に使っているのは、少し変です。
これは私の頭の方が、どうかしたのではないかしらと思いました。私は今、立っている部屋の中をよく/\見まわしてみました。何度、目をこすってみても、そこは前と変らないので
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