ャ奉行は、この手紙のことを聞いて、すっかり、私を大切にしてくれました。馬車やお附きをつけて、私をエド(江戸)まで送りとゞけてくれました。
私はエドで、皇帝にお目にかゝると、手紙を渡しました。すると、この手紙はひどくおごそかな作法で開封され、それを通訳が皇帝に説明しました。やがて、通訳が私に向って、こう言いました。
「陛下は、何でもいゝから、その方に願いの筋があったら申し上げよと言っておられる。陛下の兄君にあたるラグナグ国王のために、聞きとゞけてつかわそうとのことだ。」
この通訳は私の顔を見ると、すぐヨーロッパ人だと思って、オランダ語で話しました。そこで、私は、
「私は遠い/\世界の果で難船したオランダの商人ですが、それからとにかく、どうにかラグナグ国までやって来ました。それからさらに船に乗って、今この日本にやって来たところです。つまり、日本とオランダとは貿易をしていることを知っていたので、その便をかりて私はヨーロッパへ帰りたいと思っているのです。そんな次第ですから、どうか、ナンガサク(長崎)まで無事に送りとゞけていたゞきたいのです。」
と答えてやりました。それから私はつけ加えて、
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