mめてみることもできなかったのです。
ラグナグ国王は、私を宮廷で何かの職につけようとされました。けれども、私がどうしても本国へ帰りたがっているのを見て、快く出発をお許しになりました。そして、わざわざ、日本皇帝にあてゝ推薦状を書いてくださいました。そのうえ、四百四十枚の大きな金貨と、赤いダイヤモンドを私にくださいました。このダイヤモンドの方は、私はイギリスに帰ってから、売ってしまいました。
一七〇九年五月六日、私は陛下や知人一同に、うや/\しく別れを告げました。王はわざ/\私に近衛兵をつけて、グラングエンスタルドという港まで送ってくださいました。そこで、六日ほど待っていると、ちょうど、日本行きの船に乗れました。それから日本までの航海が十五日かゝりました。
私たちは、日本の東南にあるザモスキという小さな港町に上陸しました。
私は上陸すると、まず税関吏に、ラグナグ王から、この国の皇帝にあてた手紙を出して見せました。すると、その役人は、ラグナグ王の判をちゃんとよく知っていました。その判は、私の掌ほどの大きさで、王がびっこの乞食の手を取って立たせているところが、図案になっているのです。
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