「かじかんで」に傍点]、この雪の中を野良犬のように歩いているんだろうに――
二月×日
あゝ今晩も待ち呆け。
箱火鉢で茶をあたゝめて、時間はずれの御飯をたべる。
もう一時すぎなのになあ――。
昨夜は二時、おとゝいは一時半、いつも十二時半にはきちんと帰えっていた人が、時ちゃんに限って、そんな事もないだろうけれど……。
茶ブ台の上には、若草への原稿が二三枚散らばっている。
もう家には拾壱銭しかないのだ。
きちんきちんと、私にしまわせていた拾円たらずのお金を、いつの間にか持って出てしまって、昨日も聞きそこなってしまったが。
蒸してはおろし、蒸してはおろしするので、御飯はビチャビチャしていた。浜鍋の味噌も固くなってしまった。インガな人だなあ、原稿も書けないので、鏡台のそばに押しやって、淋しく床をのべる。
あゝ髪結さんにも行きたいなあ、もう十日あまりも銀杏返えしをもたせて、地がかゆい。
帰えって来る人が淋しいだろうと、電気をつけて、紫の布をかけておく。
三時。
下のお上さんのブツブツ云う声に目を覚ますと、ドタン、ドタン時ちゃんが大きな足音で上って来る。酔っぱらってい
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