人だ。
六月×日
久し振りに東京へ出る。
新潮社で加藤さんに会う。詩の稿料六円戴く。
いつも目をつぶって通る、神楽坂も今日は素的に楽しい街になって、店の一ツ一ツを覗いて通る。
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隣人とか
肉親とか
恋人とか
それが何であろう
生活の中の食うと云う事が満足でなかったら
画いた愛らしい花はしぼんでしまう
快活に働きたいものだと思っても
悪口雑言の中に
私はいじらしい程小さくしゃがんでいる
両手を高くさしあげてもみるが
こんなにも可愛いゝ女を裏切って行く人間ばかりなのか
いつまでも人形を抱いて沈黙っている私ではない
お腹がすいても
職がなくっても
ウオオ! と叫んではならないんですよ
幸福な方が眉をおひそめになる。
血をふいて悶死したって
ビクともする大地ではないんです
陳列箱に
ふかしたてのパンがあるが
私の知らない世間は何とまあ
ピアノのように軽やかに美しいのでしょう
そこで始めて
神様コンチクショウと吐鳴りたくなります。
[#ここで字下げ終わり]
長い電車に押されると、又何の慰さめもない家へ帰えらなければならない。
詩を書く事がたった一つの
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