寒い三月の灯の街に、呆然と私はたちすくむ。
玉葱としょっぺ汁。
共同たんつぼ[#「たんつぼ」に傍点]のような悪臭、いったいあの女達は誰を呪っているのかしら――。
三月×日
朝、島の男より為替来る。母さんのハガキ一通。
当にならない僕なんか当にしないで、いゝ縁があったら結婚して下さい、僕の生活は当分、親のすねかじり、自分で自分がわからない、君の事を思うとたまらなくなるが、二人の間は一生ゼツボウ状態だろう――。
男の親達が、他国者の娘なんか許るさないと云ったのを思い出すと私は子供のように泣けて来た。
さあ、此拾円を松田さんに返えそう、そしてせいせいしてしまいたい。
せいいっぱい声をはりあげて、小学生のような気持ちで本が読みたい。
ハト、マメ、コマ、タノシミニマッテヰナサイか!
郵便局から帰えって来ると、お隣のベニの部屋に、刑事が二人も来ていた。
窓をあけると、三月の陽を浴びて、画学生たちが、すもうを取ったり、壁に凭れたり、あんなにウラウラと暮らせたらゆかいだろう。
私も絵は好きなんですよ、ホラ! ゴオギャンだの、ディフィだの好きです。
「アパートに空間ありません
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