さな旅でも、二日の外房州のあの亮々たる風景は、私の魂も体も汚れのとれた美しいものにしてしまった。
旅はいゝ、野中の一本杉の私は、せめてこんな楽みでもなければやりきれない。
明日から紅葉デーで、私達は狂人のような真紅な着物のおそろいだそうな、都会はあとからあとから、よくもこんなチカチカした趣考を思いつくものだ。
又新らしい女が来ている。
今晩もお面のようにお白粉をつけて、二重な笑いでごまかしか……うきよ[#「うきよ」に傍点]とはよくも云い当てしものかな――。
留守中、お母さんから、さらしの襦袢二枚送って来る。
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十一月×日
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浮世離れて奥山ずまい……
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ヒゾクな唄にかこまれて、私は毎日玩具のセルロイドの色塗り。
日給七拾五銭也の女工さんになって四ヶ月、私が色塗りした蝶々のお垂げ止めは、懐かしいスブニールとなって、今頃はどこへ散乱して行った事だろう――。
日暮里の金杉から来ているお千代さんは、お父つぁんが寄席の三味線ひきで妹弟六人の裏家住い、「私とお父つぁんとで働かなきゃあ、食えないんですも
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