エ、ジツトシテイマス。
ナニヨリモ、カラダヲ、タイセツニ、イノル、フウトウ、イレテオキマス、ヘンジクダサイ。
[#ここで字下げ終わり]
[#地付き]フミヨリ。
私は顔中涙でぬらしてしまった、せぐりあげても、せぐりあげても泣声が止まない。
こうして一人になって、こんな荒れたカフェーの二階で手紙を書いていると、一番胸に来るのは、老いたお母さんの事だった。
私が、どうにかなるまで、死なゝいで下さい、此まゝであの海辺で死なせるのは、みじめすぎる。
あした[#「あした」に傍点]局へ行って、一番に送ってあげよう、帯芯の中には、さゝけた壱円札が六七枚もたまっている、貯金帳は、出たりはいったりで、いくらもない。木枕に頭をふせているとくるわ[#「くるわ」に傍点]の二時の拍子木がカチカチ鳴っている。
十月×日
窓外は愁々とした秋景色。
小さなバスケット一ツに一切をたくして、私は興津行きの汽車に乗る。
土気を過ぎると小さなトンネルがあった。
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サンプロンむかしロオマの巡礼の
知らざる穴を出でて南す。
[#ここで字下げ終わり]
私の好きな万里の歌である。
サ
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