体が悪るいのが、何より私を困らせます。それに又、あの人も病気ですし、厭になってしまう。金がほしいと思います。
 伊香保の方へ下働きの女中にでもと談判したのですが、一年間の前借百円也ではあんまりだと思います。
 何のために旅をするとお思いでしょうけど、とに角、此まゝの状態では、私はハレツ[#「ハレツ」に傍点]してしまいます。
 人々の思いやりのない雑言の中に生きて来ましたが、もう何と言われたっていゝ私はへこたれてしまった。
 冬になったら、十人力に強くなってお目にかゝりましょう、いち[#「いち」に傍点]かばち[#「ばち」に傍点]か行くところまで行きます、私の妻であり夫である、たった一ツの信ずる真黄な詩稿を持って、裏日本へ行って来ます。お体を大切に、さよなら――。

 ――あなた。
 フッツリ御無沙汰して、すみません。
 お体は相変らずですか、神経がトゲトゲしているあなた[#「あなた」に傍点]に、こんな手紙を差し上げるとあなた[#「あなた」に傍点]は、ひねくれた笑いをなさるでしょう。
 私、実さい涙がこぼれるんです。
 いくら別れたと云っても、病気のあなたの事を思うと、佗しくなります。困っ
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