ごまみそずい」に傍点]だ。
公休日で朝から遊びに出ていた十子が帰えって来る。
「とても面白かったわ、新宿の待合室で四人も私を待ってたわよ、私知らん顔して見てゝやった……。」
その頃女給達の仲間には、何人もの客に一日の公休日を共にする約束をして一つ場所に集合させて、すっぽかす事が流行っていた。
「私今日は妹を連れて活動見たのよ、自腹だから、スッテンテンよ、かせがなくちゃ場銭も払えない。」
十子は汚れたエプロンをもう胸にかけて、皆にお土産の甘納豆をふるまっていた。
今日は病気。胸くるしくって、立っている事が辛い。
十月×日
夜中一時。折れた鉛筆のように、女達は皆ゴロゴロ眠っている。
雑記帳のはじ[#「はじ」に傍点]にこんな手紙をかいてみる。
――静栄さん。
生きのびるまで生きて来たという気持です。
随分長い事合いませんね、神田でお別れしたきりですもの……。
もう、しゃにむに[#「しゃにむに」に傍点]淋しくてならない、広い世の中に可愛がってくれる人がなくなったと思うと泣きたくなります。
いつも一人ぽっちのくせに、他人の優さしい言葉をほしがっています。そして一寸で
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