働きたいものだと思つても
悪口雑言の中に
私はいじらしい程小さくしやがんでゐる。
両手を高くさし上げてもみるが
こんなにも可愛い女を裏切つて行く人間ばかりなのか!
いつまでも人形を抱いて沈黙つてゐる私ではない。
お腹がすいても
職がなくつても
ウヲオ! と叫んではならないんですよ
幸福な方が眉をおひそめになる。
血をふいて悶死したつて
ビクともする大地ではないんです
後から後から
彼等は健康な砲丸を用意してゐる。
陳列箱に
ふかしたてのパンがあるが
私の知らない世間は何とまあ
ピヤノのやうに軽やかに美しいのでせう。
そこで始めて
神様コンチクシヨウと吐鳴りたくなります。
[#改ページ]
疲れた心
その夜――
カフエーのテーブルの上に
盛花のやうな顔が泣いた
何のその
樹の上にカラスが鳴こうとて
夜は辛い――
両手に盛られた
わたしの顔は
みどり色のお白粉に疲れ
十二時の針をひつぱつてゐた。
[#改丁]
鯛を買ふ
[#改丁]
鯛を買ふ
――たいさんに贈る――
一種のコオフン[#「コオフン」に傍点]は私達には薬かも知れない。
二人は幼稚園の子供のやうに
足
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