し》の葉は、骨のようにすがれてしまっていた。人生はすべて秋風万里、信じられないものばかりが濁流のように氾濫《はんらん》している。爪の垢《あか》ほどにも価しない私が、いま汽車に乗って、当もなくうらぶれた旅をしている。私は妙に旅愁を感じると瞼《まぶた》が熱くふくらがって来た。便所臭い三等車の隅ッこに、銀杏返《いちょうがえ》しの鬢《びん》をくっつけるようにして、私はぼんやりと、山へはいって行く汽車にゆられていた。
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古里の厩《うまや》は遠く去った
花がみんなひらいた月夜
港まで走りつづけた私であった
朧《おぼろ》な月の光りと赤い放浪記よ
首にぐるぐる白い首巻をまいて
汽船を恋した私だった。
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一切合切が、何時も風呂敷包み一つの私である。私は心に気弱な熱いものを感じながら、古い詩稿や、放浪日記を風呂敷包みから出しては読みかえしてみた。体が動いているせいか、瞼の裏に熱いものがこみあげて来ても、詩や日記からは、何もこみ上げて来る情熱がこない。たったこれだけの事だったのかと思う。馬鹿らしい事ばかりを書きつぶして溺《おぼ》れている私です。
汽車が
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