せんか!」と云ってくれた。私は何か底知れない気うつさを感じながら襖《ふすま》をあけると、雑然とした三畳の玄関に、女が六人位も坐っていた。こんなに沢山の妊婦達はいったいどこから来たのかしら……。
「助手さん! 貴方はお国どこです?」
「東京ですの。」
「おやおや、そうでございますの、一寸これゃごまめだわよ。」
女達は、あはあは笑いながら何か私のことに就いて話しあっていた。昼の膳の上は玉葱のいためたのに醤油をかけたのが出る。そのほかには、京菜の漬物に薄い味噌汁、八人の女が、猿のように小さな卓子を囲んで、箸《はし》を動かせる。
「子供だ子供だと言って、一日延ばしに私から金を取る事ばかり考えているのよ、そして栄養食ヴィタミンBが必要ですとさ、淫売奴のくせに!」
女給が三人、田舎芸者が一人、女中が一人、未亡人が一人と云う素性の女達が去ったあと、小女が六人の女たちの説明をしてくれた。
「うちの先生は、産婆が本業じゃないのよ、あの女の人達は、前からうちの先生のアレの世話になってんですの、世話料だけでも大したものでしょう。」
淫売奴、と云い散らした女の言葉が判ると、自分が一直線に落ち込んだような
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