友達っていいなと思いました。それから、一等なつかしいのは先生です。
翌る朝、早く要さんは元気でかえりました。
20[#「20」は縦中横]
僕は、金井君や繁野君たちと、ラビットクラブというのをつくりました。
ラビットというのは、兎さんのことだそうです。お月様のなかで、いつもお餅をついてるような、やさしい兎さんみたいな会がいいというので、おとうさんがつけて下さいました。
金井君は、工作が上手だから、すぐ木に兎をほって、マークをつくりました。繁野君というのは、こんどおとなりの本田さんのところへきた子どもで、おとうさんと、おかあさんと、ねえさんと四人で満州の奉天からもどって来たのです。
僕とおなじとしで、僕より小さいのですけれど、とても頭のいい子です。繁野君は、歌もつくるし、蝶蝶をとることがとても好きで、このあいだも、千葉へ行って、黒あげはだの、しじみ蝶なんかたくさんとって来ました。
木の間ちょうちょうゆるく吹かれゆく
繁野君のはいくです。木の間を飛んでいる蝶蝶は、人にとられるのもわからないで、のんびり風に吹かれていたという、気持なのだそうです。
ラビットクラ
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