、とても気持がいいだろうなア、と思いました。アメリカの兵隊さんをはじめて見た時、僕はびっくりしました。みんな大きくてゆくわいそうです。僕たちはどうしたらいいかとまごまごしていたら、近よってきたアメリカの兵隊さんは、ネバマイン、ネバマインといいました。そして僕の肩を軽くたたいて行きました。
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要さんは、昨日小田原に行ったのだとて、僕と静子にみかんを持ってきてくれました[#「きてくれました」は底本では「きくてれました」]。みかんってどうしてこんなにきれいなのでしょう。いいにおいね、と静子がいいます。あんまりきれいなので、むくのがおしいくらいでした。
「英語でミカンってなんていうの」
要さんにききますと、中学生の要さんは、いかにも得意そうに、
「オレンヂというんだろう」
と、いいました。
「ぢゃア、兵隊ってなんていうの」
「ソルヂャァだったかな」
年子ねえさんがごはんを知らせに来ましたので、私たちはお家にはいってちゃぶ台の前に坐りました。壁がぬってないので、寒くなったら困るだろうと思います。おふとんや道具がいっぱい積んである処へ、おとうさんはもたれて、煙草を吸っていま
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