いました。僕はいまのところ何になっていいのかすこしもわかりません。
 要さんのお家へついたのは、お昼ちかくでした。要さんは屋根の手入をしていました。おばさんは畑をしていたし、年子ねえさんはごはんのしたくをしていました。
「やア、珍らしい、目白の健ちゃんがきましたよ」
 おばさんがにこにこして畑をやめて、門のところへ歩いてきました。
 要さんも屋根から降りてきました。
「健ちゃん、おとうさんかえって来ていいね」
 要さんがそういいました。要さんの上のにいさんの良次さんはいまスマトラです。次の兼三さんが満州で、みんなまだ戻ってこられないのです。要さんは元気そうでした。
「おじさんはお留守ですか」
 僕がたずねると、おじさんは家を建てることについて、知りあいの家へ相談に行かれたのだそうです。
 おとうさんとおばさんは、要さんのにいさんたちがいつごろかえれるだろうという話をしています。僕と静子は要さんとお庭の石どうろうのそばへ行って、日向ぼっこをしました。
 アメリカの飛行機がひくく飛んでいます。銀色にぴかぴか光ってきれいです。アメリカの飛行機は、大きくてきれいです。こんな天気に飛んでいる人は
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