根の下からひょこひょこと出て来ました。
いのししはのどがぐるぐるとなりそうです。いそいで、出来たてのきばでひよこをつきさしてむしゃむしゃ食べました。眼のみえない鶏はかなしそうな声で大きく泣きました。
「どうして、豚さんはそんならんぼうな事をするのですか、せっかく仲よくして、平和にくらしているのに、あなたはどうして私の赤ちゃんをいじめるのですか」
いのししはあんまり鶏がさわぐので、あきらめて、山の方へ行く道をひとりで歩いて行きました。山道を歩きながら、豚はとても得意でした。立派なきばがうれしくてしかたがないのです。もとから、自分は豚なんかじゃなくて、えらい山の王様だったのだと、いままで豚なんかでいたことがくやしくなりました。
山へはいった豚は、毎日小さいけものを追っかけて食いころしたりいじめたりして、山のけものからすっかりきらわれました。山の中はとても平和で、小鳥もけものも楽しい日をおくっていましたのに、きばをつけた妙なかっこうのいのししが山へ来てから、みんなのけものは心のやすまるときはありませんでした。
いままで山の王様だった鹿は、そっとけものをあつめていいました。みんながまん
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