もに喬之助のうしろのたたみに突き刺さった。
頼母は、串刺しである。団子のようだ。切尖《きっさき》が背中へ貫《つ》き出ていた。とっさに引き抜かないと、すぐ肉がしまって容易に抜けなくなるもので、喬之助、グザッ! と今一度、深く突き入れながら、さあっと抜いた。同秒、いつ斬ったのか、頼母の首は、熱い血の池の中に、右の耳を下に畳にころがっていた。
あまりの手練に、顔いろを変えた後の二人である。無言、決して逃げるのではないが、ちょっと都合があって引っ返そうとすると、生きもののように伸び切った喬之助の長剣、博多弓之丞の肩をカッさばいて、ジャ、ジャ、ジャリイン! 肋骨《ろっこつ》が四、五枚、刃に触って鳴る音がした。ざくろのように赤い切り口、白い骨の突出《とっしゅつ》、空気をつかんでのけ反った博多弓之丞だ。
こうなると、もう何番首だかわからない。
そんな整理は、あとだ。
五
「手前《てめえ》たちッ、人をブッタ斬ったことがあるめえ。人を斬らねえ剣法は、畳の上の水練だ。なア、刀ってものは、叩いて斬れるもんじゃアねえ。押して斬る。引いて斬る。さアッ! とこう、押す、引く、ここの呼吸で斬
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