であろう」
 飽《あ》くまでも衆を頼んでいる一同である。やにわに、笠間甚八がズカズカと出て行って、
「泣きおる。それは面白い。一つその口惜しがっておる面を見てやれ」
「そうじゃ。そうじゃ」日向一学が、止せばいいのに背後のほうから唆《け》しかけて、「髷《まげ》を掴んで引き起すのじゃ」
 中にひとり、元日の時の成往《なりゆ》きを覚えているのがあって、
「ナニ、それは、其奴《そやつ》の法《て》じゃ。泣きよると見せかけて笑いおるぞ」
 大勢集まれば、気が強くなるに決まっている。殊に、名打ての三羽烏をはじめ、源助町の連中も十数名|控《ひか》えているのだから、気の強いことこの上無しだ。
「髷を掴《つか》んで引き起すのじゃ」
 一学が言い切らぬうちに、
「構《かま》わぬ。コヤツ……」
 と、呻《うめ》いた笠間甚八である。髷をひッ掴んで顔を釣り上げようと喬之助のほうへ手を伸ばした。
 その時である。
「うふッ」叩きつけられたように伏していた喬之助が、噴飯《ふきだ》したのだ。「あははははは、御苦労な! 土偶人形《でくにんぎょう》の勢揃い……カッ! これでも喰《くら》えッ!」
 同時だ。哄笑と一緒に伸び切
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