の中から、ワヤワヤと声が沸いた。
「飛んで火に入る夏の虫とは、まったくうまいことを言ったものだな」
「しかし、よくもこう大勢お歴々の揃っておる場所へ、図々《ずうずう》しく現れたものじゃな」
「四番首まで討って、天下に怖いものなしと、己惚《うぬぼ》れが嵩《こう》じておるのじゃよ」
「喬之助討取策の協議中に、当の喬之助が顔を出すとは、あまりお誂《あつら》え過ぎて、呆気《あっけ》ないワ」
「が、いつの間にどこからはいりこんだのであろう……」
「そッと入り込んで、吾れわれの話に加わっておったのじゃ。それにしても、元日の時そのままに、ああして、何を言われても動かぬところ、彼奴《きゃつ》なかなか芝居気がござるテ」
こうなれば、今でも直ぐに討ち取れると思うので、一同は喬之助を前に、にやにや笑いながら、大声に話し合っていると、実際、喬之助は、元日の時そのままに、何と言われても身動きだにしないでいる。
いつの間にかそれは、あの、騒動の発端《ほったん》の再演になっていた。
ひれ伏している喬之助の肩が、細かくふるえている。
「うむ、また泣いておるな」
「発見されて、ここで命を落すのが口惜《くや》しいの
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