体《どうたい》が二つに開いて……。
「四番首!」
腹から爆笑をゆすり上げている右近へ、遊佐剛七郎の伸剣《しんけん》が降り下った。掻いくぐった右近、床の間の凹《くぼ》みに駈《か》け上って、ここに初めて、豪剣を正眼に構える――鋼鉄に似た血のにおいで咽返《むせかえ》りそうな室内に、五人の剣陣が、床の間の前に半月形《はんげつがた》に展開した。燭台《しょくだい》の灯《ひ》が鋩子先《ぼうしさき》に、チララチララと花の様に咲いて……。
四
何を思ったか、茨右近の顔が、急に引き締まって見えた。もう笑ってはいない。かれは、身内に沸き立った殺気を感じて残りの五人を一撃に斃《たお》してやろう――と俄かに真剣になったのだ。
なにをするか……と、見ていると、ピタリ肩落しにつけていた大刀を口にくわえた右近、スッと背伸《せの》びをして、帯を締め直し出した。五つの剣輪《けんりん》の中である。不敵! と、焦立《いらだ》った鏡丹波が、無形一刀の秘精《ひせい》、釘打《くぎう》ちの突き、六尺離れたところから刀を突き出して、斬ッ尖で釘を打ち込むという、これが源助町道場の大変な味噌《みそ》だったもので、また
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