いずれを一二とも謂いがたい、硬剣《こうけん》豪剣《ごうけん》の双手だが。
今。
この横地半九郎の屋敷に、夜宴《やえん》の最中、いつの間にかはいりこんで屏風のかげに潜《ひそ》んでいた神尾喬之助、妙ないい方だが……この神尾喬之助は、神尾喬之助ではなく、正しく茨右近だ。その声、態度、何よりも、その静中にあって四囲の物化を観《み》、瞬転《しゅんてん》、突起発動《とっきはつどう》せんとする剣捌《けんさば》きで知れるのである。
が、敵に、そんな影武者《かげむしゃ》があろうとは夢にも知らない六人だ。神尾喬之助とばかり思いこんでいる。六対一、衆よく寡《か》を制す。一度に掛って斬り伏せてしまえッ! と、初剣は春藤幾久馬、味方に機を与える心算《つもり》の空気合《からきあい》だ。エイッ! 抜く。白閃《びゃくせん》、春灯《しゅんてい》を裂《さ》いて右近の顔前、三寸のところに躍った。
秒間、紙を入れない。
丁度、
「うらの坊主が屏風に上手に坊主の絵を描いたッ」
……の、「描いたッ!」が終った一|拍子《びょうし》、倒れ伏さった屏風に片足かけた右近。
「約束だッ! 参《まい》るッ!」
長刃、低く横ざま
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