捕《たいほ》一つにかかっているのだ。つまり、早晩必ず喬之助を捕まえるからというので、切腹を延ばされているのだ。交換条件で命をつないでいるのだ。
 喬之助に繩打って、引き据えるか。それとも、自分が腹を切るか……二つに一つだ。山城守は、いても起《た》ってもいられなかった。躍起《やっき》になっていた。
 園絵と喬之助の結婚には、じぶんも口をきいた。その園絵のことで、こんな騒動になったのだ。今となって、善悪正邪《ぜんあくせいじゃ》は問題でない。自分としては、組与頭の戸部近江を首にした喬之助の首を、一刻も早く手にしさえすればいいのだ。が、その喬之助の行方《ゆくえ》である。家中の者はもとより、町方にも手を廻《まわ》して、いま、喬之助を狙《ねら》う御用の者は、江戸全市を櫛《くし》の歯のように梳《す》いているはずだ。それでも発見されない。発見されないだけならまだしも、先日はどうだ。この大警戒の真ッ直中で、大迫玄蕃と浅香慶之助と、同番の士が一夜にふたり、喬之助のために首を掻《か》かれている。何だか、他の者も順次に首級を挙げられてついには自分にまで及んで来そうに思われるのだ。
 山城守は、じぶんの生首《な
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