たようで、どう見ても、あんまりいい図じゃアないね」
ムニャムニャと茨右近が妙な返答をするから、見ると、喧嘩屋の先生、いつの間にか地べたに寝ッころがって、いい気持ちそうに白河夜船の最中《さいちゅう》とある。
「まア呆《あき》れた……」
呆れたとは言ったが、惚れぼれと寝顔を覗き込んだお絃、自分の半纏《はんてん》をスッポリ脱いで、掛けてやりながら、ふと気がつくと、家の中の灯《あかり》が消えて、あたりは真っくらだ。
「ちッ、厭《いや》になるねえ――ちょいとお前さん、お起きなさいったら。そんなところに寝て、風邪ひくじゃないか。しようがないねえ」
ゆすぶり起そうとすると、右近の口がモゾモゾと動いて、
「これア寝言《ねごと》だぜ」断《ことわ》っている。「なアお絃、おめえもつくづく嬉しい気性だなあ。こうやって自分達は、野良犬みてえに軒《のき》の下に夜を明かしても、好いた同士の首尾《しゅび》を計ってやる。これは善根《ぜんこん》というものだ」
「蓮根《れんこん》だか[#「蓮根《れんこん》だか」は底本では「蓮根《れんこん》だが」]何だか知らないけど、うれしい気性はお前さんさ。全体このことは、お前さんが
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