何だかモダンガールみたいな口調だが、とにかく、当時の言葉でそんな意味のことを言う。白髪《しらが》あたまで若党とはこれいかに?――とでもいいたい老僕忠助、行ってしまった。
 あとで園絵。
 町人は町人並に、このわたしさえどこか町家へでもお嫁に行っていたら、四方八方、こんな迷惑《めいわく》は掛けなかったのであろうに。思えば、名あるお武家さまを縁者《えんじゃ》に持ちたいなどと大それた望みを起したお父つぁんやお母《っか》さんが恨《うら》めしい。しかも、こういうことになってからというものは、この上のかかりあいを恐れて、三河町《いずや》からは足踏みは愚か、フッツリ、便りさえないではないか。お父つぁんと言いお母さんといい、あんまりといえばあんまりなしうち……娘ごころは、ひたむきである。思い詰めると、お可哀そうなのは喬様おひとり、ああ思い切るまでには、よくよくのことがおありだったに相違ない。イイエ、園絵は決して、御無理とも御短慮《ごたんりょ》とも思いは致しませぬ。よく――よくあの、憎い憎い戸部近江様をお斬りなすった。それでこそわが夫《つま》、園絵は、この通り悦んでおります。でも、それもみんなわたく
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