お許しを脇坂《わきざか》様まで願い出ようということになったのじゃ。ソ、それも、かく申す拙者が発起人《ほっきにん》でナ、ま、喜んで下され、決まりましたよ」
喬之助は、無言である。依然《いぜん》として、そここことなく見廻して笑っているのだ。
笑っているので、段々きいて来たかと思った玄蕃、今にも用人《ようにん》どもがやってくるであろう。そうしたら、サッと室外《そと》へ飛び退《の》こうという心構え、チラ、チラと廊下の方へ眼を配りながら、
「わしらも、後悔《こうかい》しておる。ちと悪ふざけの度が過ぎました。それも、仲間《なかま》うち――と思えばこそ、まったく、貴殿のことは、拙者《せっしゃ》など、失礼ながら、弟のように思っておりましたからな。それでああいう冗談も出来たのじゃが、他人と思えば、ゆめにも出来ぬことじゃ。冗談――と言えば、冗談から駒《こま》が出ましたなア。ほんとに、冗談から出た駒じゃ。しかし、貴殿は大変でござったろう? どこにおられた?」
喬之助は、答えない。
「実はナ。あれからすぐ、貴殿に詫《わ》び状を入れようというので、拙者など、率先《そっせん》してゆくえを捜《さが》したが、ど
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