たのだからもちろん酉だ。お久美の十三も嘉永二年の出生で己酉《つちのととり》。磯屋のおりんとお滝は二十五年の同年で天保八年の生れだが、天保八年は――これもまた丁《ひのと》の酉!
[#ここから2字下げ]
年齢|干支《かんし》九星|早見弁《はやみのべん》。こうだ。
お鈴――文久元年、かのとのとり[#「とり」に傍点]、四緑、木星、柘榴木《じゃくろぼく》。
お久美――嘉永二年、つちのととり[#「とり」に傍点]、五黄、土星、大駅土《だいえきど》
おりんお滝――天保八年、ひのとのとり[#「とり」に傍点]、一白、水星、山中火。
[#ここで字下げ終わり]
 ひとしくとり[#「とり」に傍点]で星は土木水を表している。今いっそう詳しくこれを案じてみるに、お鈴は辛酉は総じて種子であって樹木の生々《せいせい》を意味するから四緑[#「緑」に傍点]の柘榴木[#「木」に傍点]とすべて木[#「木」に傍点]で出ている。お久美はつち[#「つち」に傍点]のとの大駅土[#「土」に傍点]とこれも星の土に合っているが、ただ、おりんお滝のみは水星にもかかわらずひ[#「ひ」に傍点]のと山中火[#「火」に傍点]と水を排して反性の火を採っ
前へ 次へ
全35ページ中17ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
林 不忘 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング